仲田種苗園が自然樹形アカマツを生産している白砂青松ガーデンの面積は2ヘクタール。

阿武隈高原道路の母畑石川インター近くに立地します。もともとこの地は、「青井沢松」として建材アカマツのブランド品でした。

■白砂青松ガーデン

■癒しの空間

白砂青松ガーデンは一般公開していませんが、お客様は「癒される」とわざわざ湘南から4時間かけてくる方々もいます。

■葉性が細かく、柔らかい樹形

白砂青松ガーデンの地質は、無機質の花崗岩土壌が大部分。この地質が、アカマツを厳しく育て、葉性が細かく、節間が短い、柔らかい樹形を育成します。

■地質

白砂青松ガーデンは、1億年前の変成岩に6千万年前の花崗岩が貫入して、しかもその境が明瞭にわかるというように、地質学的に重要な場所です。

    上の写真のピンクが花崗岩、紫色は変成岩。

   上の写真の左白いのが花崗岩、右青いのが変成岩。

■過酷な掘り取り作業

花崗岩土壌のために、掘り取りは、電動ピック(削岩機)、ツルハシ、鏨とハンマーなどを使用します。

■崖上の松

崖上の松は、古来日本や中国の絵画に描かれて、また盆栽などのモデルとなってきました。

霊山には奇岩に生えるアカマツが、まるで水墨画のようです。この地質は火山性土壌、古火山の噴火活動によって形成されたものです。アカマツは直根が伸びることができず、脇根を長い年月をかけて伸ばしているために、成長が遅いです。

■植栽実験

アカマツを個人庭園に植栽する時に、成長が早すぎるのが課題です。

そこで私たちは、霊山などの観察から、路盤に使用する砕石の中にアカマツを植栽して経過を観察することにしました。砕石を選んだのは、どの地域でも入手しやすいからです。水はけをよくするために、径が大きいものが良いと思います。

2021年10月4日に植栽、2023年1月26日現在1年3か月経過しましたが、樹勢は良好です。新芽はほとんど伸びずに、成長を抑制するという目的に対しては大きな成果を上げています。葉性も細かく、柔らかいです。

植栽は2パターンで行いました。

1パターン:底に厚さ30cmの砕石、脇も砕石。                             2パターン:底に30cmの砕石、脇は土壌。

1年3か月では、どちらも違いがありませんが、3年ぐらいまで経過観察していきます。