sissinghurst castle garden(7)

The high glass field

ハイグラス・フィールド:背の高いイネ科植物の原っぱ、私の造語で、正しい名前を知っている方がいたら、ご教示ください。イギリスに来て、一番の驚きは、これを見たことです。10年前のイギリスにこんなのありましったけ。ただの牧草と看過したのかもしれません。

いやー、世間では雑草を売っているという悪名高い私でも、ビックリ。だって、シッシングハースト ガーデンで見た原っぱは、牧草に、シロツメクサ、アカツメクサですよ。こんなものが、野の花マットの圃場に侵入したら、必死で除草します。

ところが、シッシングハースト ガーデンでは、この原っぱの中を、人々が気持ちよさそうに散策しているではないですか。庭園管理方法や見学者のレクレーションという点で、従来の考え方を転換させる必要があるのかも知れません。

下の一番最初の写真をご覧ください。イチイの刈込みで区画された庭園内部は、芝生が徹底的に管理されていて、雑草が完全に除草されています。ところが、庭園の外側は、原っぱとして牧草・シロツメクサ・アカツメクサなどの雑草が残され、その中の園路や小広場は入念に草刈りされています。人々は、庭園と同じように、この原っぱの散策を楽しんでいます。

日本人は勧善懲悪、水戸黄門的価値観を好みます。完全に管理された芝生が良い、いや生態系的には手を加えないビオトープが良いなど、どちらかに決めたがります。しかしシッシングハースト ガーデンのように、芝生に雑草の混入を認めないほど完全に管理する庭園、雑草の侵入は許容するが頻繁な草刈りを行う緑地の園路や広場、年1〜2回程度の草刈りを行う原っぱというように、管理のメンテナンスにメリハリをつける必要があるのではないでしょうか。

ただし、日本の原っぱについては、帰化植物と在来野草のバランスが前提であり、根や葉から他の植物に有害な毒をだすアレロパシーをもつセイタカアワダチソウなどは駆除する必要があります。また現状は帰化植物に被圧されて、在来植物が激減していますので、在来植物を繁殖させて、バランスを回復させる必要があります。

field1.jpg刈込の手前が庭園、向こう側は原っぱ(緑地)

field2.jpgfield3.jpg

field4.giffield5.jpg

field6.giffield7.jpg牧草、アカツメクサ、シロツメクサ