Gardens by the Bayは進化した植物園だ。
シンガポールは、国土は狭く在来植物は少ない。そのハンデを、東南アジアだけだなく、世界各地の植物を収集してきた。市中にあるbotanical gardenは充実している。
また植物を研究や展示だけでなく、緑化に活かしてきた。約8000種を植栽試験して、2500種を緑化に活用しているという。
Gardens by the Bayは、植物研究、建築デザイン、壁面緑化技術をコラボレーションさせることによって、テーマパークとして進化している。
本物の植物がリアルティのある歓楽とアメニティを作っている。
またGardens by the Bayは、循環都市の実験施設的な機能を有する。スーパーツリーは太陽光の施設。園内の剪定枝をバイオエネルギーや緑肥として利用。緑肥と温室ドームなどの排水を使って、新しく開発した植栽材料の苗を育成。園内の植栽に使うだけでなく、市場に販売する。
Gardens by the Bayの循環システム(「a+u」2012年6月号)
gardens by the bay全景、ドームは手前がフラワードーム、海側がクラウドフォレスト
スーパーツリーは、高さ25〜50mの高さのものが18基。塔は太陽光と排熱のシステム。壁は高度な壁面緑化。
壁面緑化は着生植物をベースに、パネル式と木札式(木板に植物を着生)の2種、チューブパイプによって灌水、部分的にミスト口あり。
cloud forestは雲がたなびくような高地植生を復元したもの。高さ35mの最高所は、標高2000mの亜寒帯性植物を再現。そこから降りながら、温帯植物までの植生変化を体感する。熱帯地域に作られた「冷温ハウス」である。
偽岩にポケットや網をかぶせて、植物を植栽している高度な壁面緑化システム。
植え替えはロッククライミング式。バングラデッシュ人が担当。市内の街路樹剪定などの高所作業もバングラデッシュからの出稼ぎが多いという。