長州の松下村塾からは、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など多くの人材が育った。
薩摩の郷中教育、いわば町内会の集団教育によって、西郷隆盛や大久保利通が育った。西郷と大久保は同じ郷(町内)出身、西郷が3歳ほど年上である。
このように長州や薩摩からは、短期間に狭い地域から人材が群生した。その条件は、ある特定の時期と地域で強烈な危機意識を共有することである(理念と経営88号)。長州も薩摩も、幕府や外国艦隊によって、滅亡の危機にあった。
福島はまさに今、この危機にある。石川町には全国から人が集まってきてくれる。日本造園学会関東支部の学生や幹事の皆さん。造形家斎藤公太郎さん。そして、地域で志を共有している官民の仲間。この町には、100年前自由民権の人材が群生した歴史がある。