石見銀山は、比較的地味な生産遺跡を、コンセプトの明確化によって、世界遺産の登録にまでもっていった。その考え方は、私たちの地域興しにもおおいに学ぶべきものがある。
石見銀山の価値。
1,世界史的役割。銀の輸出によって中国朝鮮の絹貿易、西洋による香辛料貿易など東アジア貿易を発展させた。
2,銀鉱山、町、街道、港がまとまった地区に良く残っている。
(以下の写真は、大森銀山伝統的建造物群保存地区)
しかし、上記の価値だけでは登録に至らなかった。
決めては、里山の持続的な活用である。
銀生産には多量の薪燃料を必要とする。
石見銀山では、伐採した分だけ植林した。
里山が乱開発されることなく、500年もの長期にわたって景観が維持されてきたことが、高く評価され、登録に繋がった。