福島県下郷町の大川河岸段丘の塔のへつりは、火砕流が堆積し、それが水の浸食を受けてできた独特の景観で、国指定天然記念物となっている。
この当たりは、100万年前の火山爆発によってできたカルデラで「塔のへつりカルデラ」と呼ばれている。この爆発によって発生した火砕流は、東に60キロメートル離れた阿武隈川流域にまで及んでいる。
塔のへつりの火砕岩は、3種類に分類される。
凝灰角礫岩(粒度64mm以上)、火山礫凝灰岩(2~64mm)、凝灰岩(2mm以下)。
凝灰角礫岩は固く水の浸食を受けにくいのに対して、火山礫凝灰岩と凝灰岩は水の浸食を受けて、塔のへつりの独特の景観を形成している。
凝灰岩。水平に堆積しているので、カルデラ湖や川底に再堆積したものか。
奥羽脊梁山脈を超えてた火砕流(白河火砕流群、白河層)。写真下部の灰色の層。上部の赤い層は、第4紀に降下した火山灰層。西郷村
白河層の採石場(西郷村)
白河層の東端に刻まれた平安時代の摩崖仏(中島村白山摩崖仏群)