2016年7月の紀行文
■ マッターホルンの朝焼け
■氷河
■ 父母に見せたかったマッターホルン
父83歳、母79歳。
二人とも山好きで、いつかはアルプスに行ってみたいと言っていた・
アルプスも近年は山岳鉄道やロープウェイが整備されて、身近にマッターホルンなどを見れるようになったが、父母共に車で2時間の仙台までがやっとなので、10年前に気づき、連れてくればよかった。
■ マッターホルンの虹
これを見るために、生きてきたかのような
■ アイベックスに救われた
標高3883mのマッターホルン・パラダイスの展望を満喫した後、標高2583mのシュバルツゼーでリフトを降りて、植物を観察するために、徒歩で下山した。
立派な標識によれば、目的地まで、一方は林道でほとんどのグループがこちら、私は一人で牧草地コースを選択した。
最初はコザクラの小道を歩くなど、ルンルンだったが、途中からは道がない。立派な看板があるが、「あっち」というだけで、その先に明瞭な道がない。草丈が短いうちは、適当に歩けたが、草丈も腰ぐらいになると、体力が消耗してきた。アルプスで単独行を選択した自分を責め、意気消沈していると。
目の前を、鹿のようなものが横切り、しかも樹木の大きな切り株にたって、じっとこちらを見ている。
このシカのようなアイベックスが、私を応援してくれるように思えて、元気が出て、無事目的地まで下山した。
■ 風に震える、緑の草原
ヨーロッパ・アルプスの2500m~2800mは、高山草原。風が強く、草丈が伸びない。高山植物が美しい。
今日は、ツェルマット登山マラソン。ゴールは高山草原だ。
■ ツェルマット
増田寛也さんの統計的な「地方消滅」論に反対する論客が藻谷浩介さんで、「里山資本志主義」や「デフレの正体」などの著作がある。日本にとって、スイスは圧倒的な貿易赤字国だ。すなわち多くの日本人がスイスを観光で訪れて、また医薬品や精密機器を輸入している。
藻谷さんの「しなやかな日本列島のつくり方」で紹介されている「観光カリスマ」の山田桂一郎さんはzermattを拠点に活動し、日本国中の地域おこしにかかわる。
zermattはホスピタリティがいろいろなところまで浸透している。巨大資本のホテルが少なく、50室ぐらいの家族経営のホテルが多く、しかも現在建設ラッシュだ。料理やサービスを競っている。
といっても貧乏性の私は地元料理に舌鼓をうつのではなく、パブに寄るわけだが、ウエイトレスが隣席の家旅行者族にどこに行ったら良い風景が見られるかなどを熱心に話をしている。この光景を見ていると、ギネスビールが他よりもうまく感じられる。
このパブにも、向かいのカフェも地元の人も利用していて、愛煙家のじいさんがコーヒーを飲んでいるとウエイトレスがさりげなく、灰皿をもってくる
■ ガソリン車がない村
ツェルマットは、車は電気だ。
狭小な谷底にも関わらず、空気がきれいで、静寂だ。
■ 圧巻、アルプスの花野
ツェルマットのロープウェイのフリFURI駅は、標高1867m。
このあたりは多種類の野の花が共生した草原が素晴らしい。
セリ科やスイバなど、日本では気にも留められていない草花が、主役ではないけれど、わき役として全体の価値を高めている。
日本のあぜ道に普通にあるような、スイバ、キンポウゲ、セリ科なども多様美を構成するものとして、再評価すべきで、それは我々仲田種苗園がやるきゃない。
■ まずは、自分が楽しむ
世界的な観光地「ツェルマット」は、たしかに日本人などの外国人が多い。
しかし、地元の人もこの町を満喫している。
今日は日曜日だが、ワイルドフラワーが見事な散策路には、市民が多く訪れていた。散策路の途中には、古い家並みを改装したレストランがにぎわっている。
「近く者よろこび。遠くもの来る」という論語にあるとおりに、まちづくりはまずは自分たちが楽しむことが、大事だ。