館山市にある千葉県立安房博物館では、房総半島の漁撈の歴史がわかります。
南房総の岩礁地域では、縄文時代からアワビなどの貝の採取が行われてきましたが、これらの地域では現在も素潜り漁が行われています。
一方、九十九里浜の遠浅で、広大の砂浜では、「地曳網漁」によって、イワシが獲られてきました。
1612年、鋸南町勝山でツチ鯨の手銛漁が始まりました。また房総南端の千倉町では「突きん棒」によるメカジキ漁が行われてきました。
房総半島は、大きな砂浜、小さな砂浜、岩礁など多様な地形に生息する魚介類に対して、縄文時代から、それぞれの漁法が考え出されました。また鹿角製「銛」(もり)などの技術革新があって、縄文時代から、沿岸漁業だけでなく、外洋性漁業も行われてきました。 房総半島の多様な海辺の生態系と人との関わりの長い歴史は、環東京湾のモデルとして貴重な事例です。