フローラル・マットとは
フローラル ・ マットは、弊社独自の特許技術 (P.4383971号) により地域在来種を植込み、ターフ(マット状)に仕上げる緑化システムです。ここでいうフローラルとは、日本や地域本来の植生を意味し、そこには野の花を求めて、チョウが飛来し、それを追ってトンボや鳥がやってきます。地域本来の植生を蘇らせることで、生物多様性の基盤を復元することができます。マット生産のための種子採集は「生物多様性保全のための国土区分」(環境省)に準拠し、履歴を明確にして、エリアごとにシードバンクを構築しています。 完成したマットは、商標登録し、各エリアへ供給されています。
この国土区分は国土の生物相からみた地域のまとまりを概括的に把握しようとするもので、植物群集を主な指標として、生物分布の境界線、積算気温、年間降水量を用いて、10地域に区分されています。
生物多様性復元事業 ~iプロジェクト~
生物多様性復元事業のひろがり ~西日本「iプロジェクト」~
2011年、新たに西日本(「生物多様性保全のための国土区分」第8区 )の伊勢神宮外宮において、生物多様性復元事業として「iプロジェクト」が実施されました。設計者と発注者の指導と支援の下、弊社は、植生調査からフローラル・マット生産の一連の業務を受注。植物はすべて、復元計画地流域で採種し、フローラル・マット「iMat(伊勢マット)」として納品いたしました。
1.計画地の植生と生態系の調査 ~Research~
まず、「生物多様性保全のための国土区分」(環境省)に準拠して、植生と生態系の専門調査を行います。
2.導入植物種の設計 ~Planning~
植生と生態系の調査結果を元に、復元計画地の生物多様性を図るための、導入植物種の設計を行います。
3.計画地の流域から採取 ~Seed-gathering~
復元計画地の流域内の、最も理想的な場所で、優良な種を採種します。これらはシードバンクとしての役目を果たすため、採種履歴を明確にしておくことが必要となります。
4.播種からマット生産 ~Production~
復元計画地域で採種してきた種は、弊社の樹木や野草栽培で培ってきた播種技術を応用して、種蒔き・寄せ植えによるフローラル・マットの生産を行います。
5.植栽工事 ~Planting~
フローラル・マットは、芝を貼るようなイメージで施工できます。i プロジェクトでは、施工は現地の造園工事会社が行いました。施工監理では、景観設計をしっかりと確認し、より自然な景観を創出することができました。
JP(日本郵政グループ)地域共存ビジネス賞受賞
「地域性種子を活用した都市生物の多様性の復元」
造園大賞(東京農業大学造園科学科)
農商工等連携事業認定(経済産業省・農林水産省共管)
例炭素杯2012環境大臣賞金賞(ソーシャルビジネス部門)
日本造園学会賞(技術部門)