温帯と亜寒帯の境

花之江河は標高1600m、高層湿原の南限である。また高木層をもつ森林限界でもある。

ここから黒味岳(標高1831m)に向かって、登っていくと、風や気温の影響で樹木の背丈が小さくなる。亜高山性風衝低木林。

森林限界の特徴は、スギとヤマグルマである。ヤマグルマは最初スギの樹上に着生し、成長すると地上に根を張り、最後にはスギを凌駕する、「牛締め」というあだ名がある。

ヤマグルマの北限が山形県。私は飯豊山の標高1000mや那須連邦の標高1600mで見たことがある。しかし、いずれも背丈は1mぐらい、屋久島のように8m近いものはではない。

130531-6.jpg130531-2.jpg花之江河から黒味岳を望む、若芽が明るいのがヤマグルマ

130531-4.jpg130531-3.jpgヤマグルマ

130531-5.jpg黒味岳からの眺望。手前は亜高山性風衝低木林、向こう側はスギとヤマグルマの森林限界