昨日、いわき市にある水族館「アクアマリンふくしま」に行ってきました。途中小名浜の小さい魚屋の店先に「がんばろう、いわき」。港が津波で壊滅しているために、扱う魚は少ないはずなのに、なんとか懸命に店を開けて頑張っている様子に感動しました。

アクアマリンふくしまは今回の大震災の地盤沈下と津波が複合して大きな被害が出ました。当社が設計・施工させていただいた「えっぐの森」も、海水をかぶりました。まだ芽吹き前なので、被害の全容は把握できませんが、植物にはかなりのダメージがありそうです。

アクアマリンふくしまの建物は固い岩盤まで杭が打ち込まれています。津波により1Fが浸水しましたが、全体としては目立った損傷はありません。水槽の大部分も、補修をすれば使える状態です。現在スタッフの皆さんが、復興に向けての清掃や後片付けを一生懸命やっています。疲労は蓄積していると思いますが、皆さん明るく元気です。復興は間違いがありません。

アクアマリン復興日記が開設されました。ぜひご覧いただき、ご支援ください。

http://blogs.yahoo.co.jp/fukushimaaqua

このブログによると、アクアマリンでの放射線量は、地震以来3月11日から4月3日までのの累計で124マイクロシーベルトです。健康にはまったく問題にならない数値です。

当社が所在する石川町の放射線量は4月3日の観測値が0.17マイクロシーベルト、いわき市が0.53です。石川町の放射線量の累計は、アクアマリンのデータの半分程度でしょう。

今朝の読売新聞にドイツ気象庁による福島原発の放射線物質拡散分布予測が掲載されています。「日本時間4月5日午後9時」を想定した予測によれば、北から吹く風によって、太平洋側の沿岸沿いに拡散される可能性があります。日本の天気予報のように、緻密かつ分かり易い、日本の機関のものでないのが残念です。日本政府は20キロ圏、30キロ圏など機械的な括りではなく、市町村ごとの被害予測をすみやかに国民に開示して、実害があり対策が急がれる地域と安全な地域を明確にすべきです。現状は雑駁かつ曖昧なので、風評被害は拡大する一方です。

5-1.jpg放射性物質の拡散分布予報、ドイツ気象庁(読売新聞 4月5日)

26-1.jpg原子力委員会の被爆予想、原発に対する北風と南東風が放射線を拡散させる(読売新聞、3月26日)。石川郡は原発からの風が少ないので、放射線量は低レベルで安定。

5-2.jpg福島県石川町の放射線量は0.17マイクロシーベルト、数週間にわたって茨城県内陸部のつくば市と同じ傾向が見られる(朝日新聞 4月5日)。