仙台800坪個人庭園(2023)
仙台市内に800坪の個人庭園作庭
アカマツとイロハモミジを主体に植栽。
仲田種苗園は土にもこだわります。
黒土に2割の薫炭を混ぜた植栽土を30立米使用。
さとがおかキンダーガーデン「里山園庭」(2022)
福島県いわき市の認定こども園に完成した「里山園庭」。
園長先生の「子供たちに原風景を創ってほしい。」という思いに、仲田種苗園が生産・設計・施工を行いました。
起伏のあるミニ里山に、階層的な森(高木中木低木)、草原(野の花マット)を再現して、多様な生き物たちが生息する環境を創出、子供たちの五感を育みます。
基本構想計画では、子どもの遊び学の寺田光成博士とロシア出身で環境学のマリア博士夫妻が参画母畑温泉八幡屋別館帰郷邸(2019)
里山を背景に高さ10m級のオオモミジや桜を多数植栽した新名所。
プロが選ぶ日本のホテル旅館100選では、常に上位に輝く全国的に人気の旅館。
ブータン花博日本庭園(2017)
在インド日本大使館の依頼により、日本庭園をブータンに作庭。
チベット仏教の聖地で岩窟寺院タクツアン僧院を築山の主石に頂き、青石のパロ川を経て、無限大を表す石庭は白いライムストーンで表現しました。
川の青石とのコントラストは、伊勢神宮外宮の風の宮をイメージ。
石や植物はすべて現地調達、人力施工、実動8日という制約の中でしたが、
日本の造園技術でブータンの風景や自然の魅力を表現することに成功しました。
雑木の庭のデザイン
奥入瀬渓流は、日本を代表する原風景です。十和田湖からの流水で、水量が安定しているために、岩に植物が着生して、島のように見えます。九九島などは、日本庭園の美しさに例えられます。
島に着生している樹木を見てみましょう。(高木)アオダモ・ミズナラ、(中木)ウツギ類(タニウツギ、ノリウツギ)、(低木)ツツジ類(ヤマツツジ、ムラサキヤシオ、ホツツジ)。高木は天に向い、低木は流れに垂れるようです。断面で表せば、高木から低木にかけて岩の中心に向かうように、放射状となって生えています。生け花は、植物の最も美しい形を表現します。そこには原理原則があります。「専正池坊いけばな 自然花」(諸泉祐陽 1983)で見てみましょう。基本は3本の役枝で、主位、副位、客位があります。高さの比率は、直立型の場合は、主位1、副位2/3、客位1/2、傾斜角度は主位20°以内、副位45°以内、客位60°以内となります。なお役木を補うものを「あしらい」や「根締め」といい、小低木や草花を用います。
雑木を植栽する場合も、奥入瀬渓流のような島を単位として、生け花に習って、主木(高木)、副木(中木)、客木(低木)とすると理解しやすいです。ただし私の経験から、樹木の傾斜角度は主木15°以内、副木30°以内、客位45°以内が収まりやすいと思います。
さらに庭をデザインする場合は、大中小の島を不等辺三角形に配置すると、自然でかつメリハリがついた庭となります。東長寺関連樹林葬(2015~2016)
東京都四谷の東長寺は、曹洞宗の名刹です。東長寺は、ランドスケープ計画設計事務所の(株)Humusやそのパートナーである霜田亮祐千葉大学准教授とともに、両墓制と樹林葬を進めていますが、その理念は里山と地域の再生です。 両墓制とは、位牌を東長寺に納め、関連する真光寺(千葉県袖ケ浦)や清涼院(宮城県気仙沼市)の樹林に埋葬するものです。 仲田種苗園は、東長寺の檀信徒会館にモミジや野の花マットを納品(2015年5月)、真光寺では野の花マットの施工(2015年10月)、そして清涼院では造園工事一式を施工しました(2016年6月)
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掲載実績
アクアマリンふくしま「カワウソ水槽」(2015)
アクアマリンふくしまの「わくわく里山・縄文の里」の中心となるカワウソ水槽を施工しました。(有)南條庭石さんにお手伝いいただきました。カワウソの飼育施設は擬岩が一般的で、室内での自然石組みは世界初だそうです。それだけに難工事でしたが、水族館担当の中村千種さんの熱意に励まされて無事完成しました。今ではアクアマリン一番の人気スポットとなり、苦労も報われました。
アクアマリンふくしま「エッグの森」(2010)
エッグの森は、仲田種苗園が水族館の安田純氏と話し合いながら設計・施工しました。従来の造園植栽事例にこだわらずに、福島から関東にかけての沿岸部植生を調査して、独自の植栽方法を実施しました。例えば従来はほとんどが単独で植栽しますが、潮風を受けて、樹勢が弱ることが多いです。そこで私たちは、スクラムを組んで潮風に耐えようと、5種類の高木(スダジイ、モチノキ、タブノキ、ネムノキ、エノキ)を寄せ植えしました。安田氏は、「鎮守の森ユニット」と名付けました。2016年現在で施工後6年経過しましたが、非常に樹勢が良いです。
さてエッグの森では、浜っ子ターフ、野の花マット、森っこターフなどのフローラルマットを、潮風の影響の程度によって種類を変えながら、海辺の里山環境を再現しました。 浜っ子ターフや野の花マットは、3年目ぐらいからチガヤなどのイネ科の割合が多くなってきます。これは植物遷移的には宿命で、イネ科を除草するためにはそれなりの知識と労力を必要とします。安田氏は、イネ科はある程度許容して、セイタカアワダチソウなどの侵略的外来雑草を駆除しながら、草刈りでイネ科と導入野草種の共生環境と景観を作っています。これはフランスのジル・クレマン「動いている庭」の思想と管理方法に近いものであり、先駆的な取り組みです。 ルーラル電子図書館「在来植物を活用した植生マットによる緑化システム」(仲田茂司)に、フローラル・マットの可能性と課題について、包み隠さず書いていますので、ご覧ください。